2015-06-01
country road
土日はチチ作品を岩手に運搬する日だった。
作品の調査をするため、よっぽど痛みの激しいものを除いたほぼすべての作品をトラックに積んで美術館に持っていくことになった。
4人の美術品専門運搬チームさんたちにより速やかに作品が梱包され、学芸員さんたちがそれに番号をふっていった。
数メートル幅のものから手のひらほどのサイズのものまで、梱包する前に学芸員さんが1点ずつ作品をチェックする。点数が多くて、日曜の夕方までに終わらないかも、と密かに不安を抱いた。
力仕事はプロの皆さんがやってくれるので、私はほとんどすることがなく、BGMを流したり、横から口出ししたり、ただ見守るしかなかった。
仕事が早い。かっこいい。
日曜の本番に向けた土曜の打ち合わせの時に、「うちの周囲の道路が狭くて4t車がうちにたどり着けないかも」問題が発生しヒヤヒヤ状態だったが、日曜の朝、ギリギリの道路幅をかいくぐり無事に家に到着してくれたのでホッとした。しかし、荷台に積み込み作業が始まったら今度は「作品ぜんぶを4t車に積み切れないかも」問題が発生し、結局積み切れなかった。
やむを得ずだが、それでも相当な数の作品が盛岡へと旅立った。
ここに至るまで、長すぎる道のりであった。
作者断筆から今まで20数年、作品もよく耐えた。
これでようやっと家の4分の1がスカスカに。
家の重量も気持ちも軽くなった。
何しろ、1枚1枚執念のこもった数百点の作品と15年ほど添い寝してきたので、添い寝から解放されたという変化はたぶん自分の中で大きい。
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