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2017-11-26

「海辺の叙景」は大原の宝ね、つれづれ。

ここは千葉県いすみ市大原(正確には深堀)。

11月6日(月)からスタートした「つげ義春と大原」展も今日26日(日)で終わり。
長丁場だなと思いきや、あっという間だった。

 

 

 

いすみ市役所の職員さんたちがどデカい立看板を会場の周りにいくつも立ててくれたおかげで
看板に吸い寄せられるように通りすがりの人々がフラッとhinodeに入って来てくれるようになった。
感謝(驚)。

 

 

今回つげ展を開催したhinodeのフリースペースはテーブルや椅子、ソファ、本も置いてあり、
年中無休でどなたでも気軽にお茶したり日向ぼっこしたり本読んだりお弁当食べたりできます。
お散歩休憩にもおススメ。100円コーヒーあり。

 

 

つげさんのご厚意や作家性などにも配慮して、今回は様子見ということで宣伝を控えめにしていたつもりだったが、
千葉県内はもとより、遠くは仙台、福島、埼玉、都内から、
土日祝日を中心にお客さんがひっきりなしであった。
戸惑いもあったが、素直にありがたく受けとめたい。
30年近く新作を発表していないにも関わらず、「つげ義春」という漫画家が多くの人々に愛され続けているのを身に染みて感じた。
あらためて「海辺の叙景」という作品は大原の宝だなと感じる。

 

つげさんファンのお客さんからお話をうかがうと、hinodeの「つげ義春と大原」展に立ち寄り「海辺の叙景」の舞台である大原海水浴場から大原漁港~八幡岬を巡るという「つげ義春 聖地巡礼」大原コースがなんとなく出来上がっていたようだ。

大原ローカルの皆さんも次々とご来場くださった。
大原の人々に直接大原の歴史や貴重な昔話を伺うって、なんて贅沢なんだろうと思った。
その中で、つげさんのご家族と関わりがあったと思われる親族の方にお会いできたり、
独自につげさん関連の調べものをして資料を持ってきてくださる方もいたりしてそのお気持ちがうれしかった。
「つげ義春と大原」展が、単なる原画・漫画の展示だけでなく、
そこに関わってくれた人によって私の中でだんだんと不思議な立体感を帯びてきて、つげ義春という媒体を通してここ大原で何か特別な神事を執り行っている気さえしてきた。
ここhinodeが、”つげさんが何度も宿泊していた国民宿舎「大原荘」があった場所”だった、という事実を会期途中で知った時、私はぞぞっと鳥肌が立ち、ファンの人にそれを話すと歓喜であった。会期中は、大原荘の元支配人の息子さんも来場され、点が線でつながりまくりな日々だった。
という訳で、大原という土地がすっかり愛おしくなった。

 

 

11月18日(土)のイベントも無事に終了した。

 

あいにく写真をあまり撮れなかった。
自分のプラス皆さんのもらい写真でつぎはぎ。

 

15:00~
「大多喜のシシ革で作るカードケース作りワークョップ」by 能城ちゃん

 

単純に私が能城ちゃんのファンで、何か一緒にやりたい気持ちが前からあった。

 

 

いくつかの代表的なつげ作品の舞台となっている「大多喜」というキーワードを展覧会のどこかに入れたかったというのもあった。

ちょうど能城ちゃんが大多喜の害獣駆除イノシシの解体の勉強をしていて、その時に一緒に処分されてしまうシシ革で何か作るワークショップをやってみたいと言っていたので声をかけてみた。

……良かったんじゃないだろうか?
これをきっかけにまたチャレンジしてみてほしい。
シシ革、処分するにはもったいないくらい質が良い。
有効活用の方法を今後も一緒に考えていきたい。

 

16:00~
元ガロ編集者・浅川満寛さんをお招きして
「つげ義春と大原 ミニトークイベント」

 

浅川さんは、雨の中浪花から自転車でご来場。
遠方からの参加者、多々。

私の司会進行が非常につたなく、反省しきり。阿川佐和子にはなり切れず。
昔の大原の様子がわかる写真やつげさんの作品をプロジェクターで投影しながら、つげさんと大原のこと、つげさんの作品と周辺の漫画家のこと、白土三平先生の現在や水木しげる先生との関係性など、貴重なお話をたくさんお聞きすることができた。
皆さまの感想はどうだっただろうか。

 


浅川氏は、劇画研究はもとより音楽面での造詣も深く大変ユニークな方。
浅川氏の魅力を私のほうでもっと引き出す能力があれば良かったな。

 

 

お客さんに出すコーヒーを用意する能城ちゃん。

 

 

私が作ってみた燻製3種。
一口つまむヒマもなく、気がついたら全部なくなっていた。
好評だったようで良かった。
よじゅえもんチーズ工房さんでおまけしていただいたチーズも燻製してみた。

 

 

ルワンダ帰りのさわやかサーファーBashi君の特製パンケーキ、私結局食べられなかった……(写真も撮れず)。
完売御礼。良かった。

 

 

梨のKimuraさんがお手伝いに行っている「秋場梨園」さんから無償提供していただいた梨。
こちらはイベント終了後いただいた。
おいしかった。

 

 

↓「つげ義春 大原」の検索で出てきたtweetをランダムに。

女神……。
ありがとう。

 

 

そうなのよね。
外房に「聖地巡礼」しているつげ義春ファン、思った以上に多いとわかった。
千葉県における「つげ義春」氏の存在ってつまりそういうことなのだ。

 

「海辺の叙景」の情感、起承転結のはっきりしない感じ、オルタナ系漫画の元祖。
映画的でありながら、映画化はかなり困難であろう。
今後ますます世間の評価が高まっていく作品であるのは間違いないので、とりあえず読んでおくべし。
また「海辺の叙景」はつげ作品には珍しくきわどい描写がほとんどないため、お子様ご婦人方もとりあえず安心して読める一作となっている。

 

ご来場くださった皆さま、資料提供やチラシ配りその他諸々のご協力をしてくださった皆さま、
つげさん、浅川さん、Iさん、
いすみ市役所の皆さま、
hinodeスタッフの皆さま、

本当にありがとうございました。


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