toggle
2023-01-23

さようなら。ありがとうございました。

 

去る2023年1月16日、御宿のなぎさの詩人「わららべ尚道」こと渡辺尚道さんが突然天国へ旅立った。

彼の周囲の音楽仲間をはじめ、旅立つ前日までわららべさんとメールのやり取りをしていた私は、あまりに突然のことで、いまだ心の整理がつかない。

わららべさんの2019年リリースの「なぎさのシエスタ」、2022年リリースの「風のスープ」、いずれもアルバムの音源のマスタリングやデザイン、リリースまで関わらせていただいた。

私が自分のファーストアルバムをリリースしたのが2019年夏。当時、私は「早く自分のアルバムをリリースしないと…」と、やたら焦っていたように思う。
アルバムをリリースする手順をひと通り覚えたので、その流れでスムーズにわららべさんのファーストアルバムのリリースを引き受けることが出来た。これも不思議なタイミングだ。

そして、私がセカンドアルバムを出すよりも先に、わららべさんは2022年にセカンドアルバムをリリースした。
フルアルバムを制作するエネルギーは並大抵のものではない。しかも、わららべさんは目が見えない。盲目の状態で、フルアルバム分のボリュームの新曲を完成させるというのは、想像するだけでなかなかしんどい作業だと思う。
わららべさんはこの4年間に2枚のフルアルバムをリリースした上に、昨年から自分のYouTubeチャンネルでラジオ番組を始めた。選曲をし、場合によっては番組用に曲をレコーディングし、シナリオを自身で書き上げ、御宿のギタリストの倉橋先生と私が音源を仕上げ、40~50分ほどのボリュームの番組を毎月配信していた。今思えば、ここ数年、生き急いでいたようにも感じる。今思えば…、だが。

そして、つい先日…1月17日。
私はわららべさんのYouTubeラジオ「菜の花ミュージックトレイン」の最新号のデータをこれからYouTubeにUPするところだった。
自宅のWi-Fiだとアップロードにかなり時間がかかるため、高速回線が使えるネットカフェに向かった。
車をネットカフェの駐車場に停めたところで、倉橋先生から電話がかかってきた。
わららべさんが亡くなった、という知らせだった。
あまりにびっくりし過ぎて、え?!え?!としか言えなかった。
亡くなったのは…16日。
15日の朝に、わららべさんから業務連絡のメールが届いていた。
そんな感じでわららべさんとの交流は現在進行中だったから、なおさら受け止め切れない。

先日、葬儀でわららべさんと最後のお別れをして来た。
わららべさんは穏やかな顔で目をつぶっていた。
壮大なドッキリであって欲しい、と思った。

もっと、いろいろ書きたいことがあるが、キリがないので、ここで一旦やめておこう。

なんだか、私はわららべさんの仕事を手伝うために外房まで引き寄せられたんじゃないか、と思えてきた。
それは、あながち思い込みでもないように思う。
本当に不思議な人だった。
(普通に嫌なこともあったし)別に崇めたりするつもりはないが、生き神みたいな、浮世離れしたところのある方だった。
なぜそんな分野まで知っている?というくらい読書家で、時事ネタにも敏感、文化的に成熟した方だった。
スピリチュアルでもあった。打ち合わせに伺うと、ムー談義で盛り上がった。
視覚障がいというハンディキャップを与えられ、その中でのミッションはすべて完了して宇宙に還ったってことじゃないの?という説が、ファンタジックではあるが自分の中でしっくりくる。
ムー的に言えば、3次元の重たい物質世界の拘束から解放され、4次元へ行ってしまったという感じ。それで自由になれたのならこちらも安堵。

…と同時に、私が殺したんじゃないかと思う部分もある。
私より長い時間わららべさんの創作に携わっていた倉橋先生も、全く同じことを言っていた、「自分が殺したんじゃないか」と。
その理由は、わかる人にしかわからない感覚かも知れない。

とはいえ、わららべさんとのご縁に、とても感謝している。

わららべさんの曲は歌詞もメロディーも上質なので、これで終わりではもったいない。
普遍的な内容で、とても良い。
機会があれば歌わせてもらいたい。
この件はわららべさんの許可済みである。
もちろん、他の人が演奏するのも良いだろう。

3月にライブがあるので、早速歌おうと思っている。

本当に、ありがとうございました。
本音を言えば、また会いたかったです。
急にいなくなってしまい、寂しいです。

 

 

↓最後の配信です。


関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です