「海辺の叙景」は大原の宝ね、つれづれ。

ここは千葉県いすみ市大原(正確には深堀)。

11月6日(月)からスタートした「つげ義春と大原」展も今日26日(日)で終わり。
長丁場だなと思いきや、あっという間だった。
本家のHP(http://tsuge-isumi.com)の更新が間に合わないため、
ひとまず自分のblogに記事を書いておくとする(のちほどこちらの記事は削除)。

 

 

 

いすみ市役所の職員さんたちがどデカい立看板を会場の周りにいくつも立ててくれたおかげで
看板に吸い寄せられるように通りすがりの人々がフラッとhinodeに入って来てくれるようになった。
感謝(驚)。

 

 

今回つげ展を開催したhinodeのフリースペースはテーブルや椅子、ソファ、本も置いてあり、
年中無休でどなたでも気軽にお茶したり日向ぼっこしたり本読んだりお弁当食べたりできます。
お散歩休憩にもおススメ。100円コーヒーあり。

 

 

つげさんのご厚意や作家性などにも配慮して、今回は様子見ということで宣伝を控えめにしていたつもりだったが、
千葉県内はもとより、遠くは仙台、福島、埼玉、都内から、
土日祝日を中心にお客さんがひっきりなしであった。
戸惑いもあったが、素直にありがたく受けとめたい。
30年近く新作を発表していないにも関わらず、「つげ義春」という漫画家が多くの人々に愛され続けているのを身に染みて感じた。
あらためて「海辺の叙景」という作品は大原の宝だなと感じる。

 

つげさんファンのお客さんからお話をうかがうと、hinodeの「つげ義春と大原」展に立ち寄り「海辺の叙景」の舞台である大原海水浴場から大原漁港~八幡岬を巡るという「つげ義春 聖地巡礼」大原コースがなんとなく出来上がっていたようだ。

大原ローカルの皆さんも次々とご来場くださった。
大原の人々に直接大原の歴史や貴重な昔話を伺うって、なんて贅沢なんだろうと思った。
その中で、つげさんのご家族と関わりがあったと思われる親族の方にお会いできたり、
独自につげさん関連の調べものをして資料を持ってきてくださる方もいたりしてそのお気持ちがうれしかった。
「つげ義春と大原」展が、単なる原画・漫画の展示だけでなく、
そこに関わってくれた人によって私の中でだんだんと不思議な立体感を帯びてきて、つげ義春という媒体を通してここ大原で何か特別な神事を執り行っている気さえしてきた。
ここhinodeが、”つげさんが何度も宿泊していた国民宿舎「大原荘」があった場所”だった、という事実を会期途中で知った時、私はぞぞっと鳥肌が立ち、ファンの人にそれを話すと歓喜であった。会期中は、大原荘の元支配人の息子さんも来場され、点が線でつながりまくりな日々だった。
という訳で、大原という土地がすっかり愛おしくなった。

 

 

11月18日(土)のイベントも無事に終了した。

 

あいにく写真をあまり撮れなかった。
自分のプラス皆さんのもらい写真でつぎはぎ。

 

15:00~
「大多喜のシシ革で作るカードケース作りワークョップ」by 能城ちゃん

 

単純に私が能城ちゃんのファンで、何か一緒にやりたい気持ちが前からあった。

 

 

いくつかの代表的なつげ作品の舞台となっている「大多喜」というキーワードを展覧会のどこかに入れたかったというのもあった。

ちょうど能城ちゃんが大多喜の害獣駆除イノシシの解体の勉強をしていて、その時に一緒に処分されてしまうシシ革で何か作るワークショップをやってみたいと言っていたので声をかけてみた。

……良かったんじゃないだろうか?
これをきっかけにまたチャレンジしてみてほしい。
シシ革、処分するにはもったいないくらい質が良い。
有効活用の方法を今後も一緒に考えていきたい。

 

16:00~
元ガロ編集者・浅川満寛さんをお招きして
「つげ義春と大原 ミニトークイベント」

 

浅川さんは、雨の中浪花から自転車でご来場。
遠方からの参加者、多々。

私の司会進行が非常につたなく、反省しきり。阿川佐和子にはなり切れず。
昔の大原の様子がわかる写真やつげさんの作品をプロジェクターで投影しながら、つげさんと大原のこと、つげさんの作品と周辺の漫画家のこと、白土三平先生の現在や水木しげる先生との関係性など、貴重なお話をたくさんお聞きすることができた。
皆さんの感想はどうだっただろうか。

 


浅川氏は、劇画研究はもとより音楽面での造詣も深く大変ユニークな方。
浅川氏の魅力を私のほうでもっと引き出す能力があれば良かったな。

 

 

お客さんに出すコーヒーを用意する能城ちゃん。

 

 

私が作ってみた燻製3種。
一口つまむヒマもなく、気がついたら全部なくなっていた。
好評だったようで良かった。
よじゅえもんチーズ工房さんでおまけしていただいたチーズも燻製してみた。

 

 

ルワンダ帰りのさわやかサーファーBashi君の特製パンケーキ、私結局食べられなかった……(写真も撮れず)。
完売御礼。良かった。

 

 

梨のKimuraさんがお手伝いに行っている「秋場梨園」さんから無償提供していただいた梨。
こちらはイベント終了後いただいた。
おいしかった。

 

 

↓「つげ義春 大原」の検索で出てきたtweetをランダムに。

女神……。
ありがとう。

 

 

そうなのよね。
外房に「聖地巡礼」しているつげ義春ファン、思った以上に多いとわかった。
千葉県における「つげ義春」氏の存在ってつまりそういうことなのだ。

 

「海辺の叙景」の情感、起承転結のはっきりしない感じ、オルタナ系漫画の元祖。
映画的でありながら、映画化はかなり困難であろう。
今後ますます世間の評価が高まっていく作品であるのは間違いないので、とりあえず読んでおくべし。
また「海辺の叙景」はつげ作品には珍しくきわどい描写がほとんどないため、お子様ご婦人方もとりあえず安心して読める一作となっている。

 

ご来場くださった皆さま、資料提供やチラシ配りその他諸々のご協力をしてくださった皆さま、
つげさん、浅川さん、Iさん、
いすみ市役所の皆さん、
hinodeスタッフの皆さん、

本当にありがとうございました。

来年も、開催できたら良いなと思っています。
他の町とも連携したりして、少し規模が大きいものをイメージしているので、
一緒に動いてくれる人を募集したいと思います。
単なる展覧会をやってもしょうがないと思うのです。
つげ作品のように、主催側も既成概念を壊していかなければ……。
「眠っている地域資源の掘り起こし」「コミュニケーションアート的な切り口」「ヨーゼフ・ボイス的手法」、
ぼんやりと身につけてきたものを、来年も生かせればと思っています。
きっと楽しいと思います……きっと……。

 


2017-11-26 | Posted in BLOG, ART, WORKNo Comments » 

「つげ義春と大原」展、始まりました。

 

2017年11月5日(日)夜。

 

いすみ市 大原海水浴場の前の、元は市民プールだった施設(現在は洒落たコワーキングスペース)「hinode」のスタッフsayaちゃんに「開催してみませんか?」と声をかけてもらい、予定にはなかったが急きょ小さな「つげ義春展」を開催することを決め、9月頃から少しずつ準備を進めていた。
この日はオープン前日。

展示設営というものはなかなか思い通りにいかないものだ。
男手がほしいなと思ったが、結局女手一つでどうにかなってしまう悲しさ(後日男手をお借りした)。
そうはいってもやはり夜までかかった。

 

sayaちゃんが急にひらめいて、ガラス「つげ」装飾に着手。
同僚のtanちゃんにも見守っていただき、おかげさまで設営完了。

 

 

sayaちゃん遅くまでありがとう。

 

 

11月6日(月)。
会場のhinodeはだだっ広い芝生の公園に囲まれていて、気持ちの良い場所だ。
昔、この場所には、つげさんのエッセイにも出てくる国民宿舎が建っていたらしい。
公園の中には少しの遊具と、どんぐりの木、野音のステージ的な半屋根が。
道路の反対側は大原海水浴場。

 

 

祝・展覧会オープン。

つげさんご本人や原画等をお貸しくださった編集者の浅川さんをはじめ、
地元大原在住のIさん、そのほかいろんな方の善意や応援、ご協力のおかげでこの時期に奇跡的に実現できた小さな展覧会。

 

 

 

 

始まってみたら、ありがたいことに、日によってはお客さんが途切れないくらいの、
「ほど良い感じ」を保っている。
ご来場された暁には芳名簿にぜひお名前を残していってください(偽名でも可)。

 

 

会場では、つげさんの貸本漫画時代の原画数点、フォトエッチング アクアチントの版画作品、
貴重な落書き、当時作品を発表していた「ガロ」や「COMICばく」、関連本などをご覧いただける。

 

 

つげ義春年譜を熱心に読むお客さん。

 

大量の原画の中から数点を選ぶのは本当に難しかった。
個人の好き嫌いの浅はかな感覚で選ぶべきものでもないと思うし、
作品の運命が自分の手によって僅かでも変わってしまうような気もして、選ぶのに緊張が走った。
つげさんの作家性をもっと理解していたら別の原画を選んでいただろう。
勉強不足な自分を恥じた。
そして最終的には感覚的に選ばせていただいた。
そんな中「これはぜひお借りして展示したい」と自分の中で即決だった1点があった。
つげさんの落書き。
女性の表情が艶っぽくかわいらしく、しかし気合を入れて描いたのではない抜け感が絶妙に好きな1点。
エントランス壁に展示させていただいた。必見。

 

 

「ガロ」の後身の漫画雑誌「アックス」最新号は「つげ義春特集」。

 

 

おかげさまで残りあと数冊となりました。
amazonでも現在入荷待ちの品薄状態。お早めの確保をオススメします。

 

 

後日、「海辺の叙景」名カットコーナーを増設してみた。
大原ローカルの方々と、ここで話が弾む。
実際、当時の大原のいろんなお話を伺うことができて、
自分の中の「海辺の叙景」にリアリティーがより増していく。

 

つげさんは昭和12年生まれの80歳。亡くなった父と同い歳だ。
父は日ごろ「枯れて老いて醜くなっていく自分の姿を見ていきたい」と言っていた。
その願いは果たせずだった。
老いたつげさんの現在の姿を父に重ねてしまう感、否めず。

父もつげ義春のファンだった。
幼少期の屈折感や、失踪・彷徨願望。
ジャンルの違いこそあれ父もモノクロームの世界に生きていた。
たまに家に帰ってきた父に、私がつげさんの漫画やエッセイを貸したりもしていた。

 

 

 

「つげ義春と大原」
ー 関連書籍や原画によるミニ展示コーナー ー

2017年11月6日(月)~26日(日)
観覧無料 9:00~18:00  (無休)

幼少期の数年を、母親の故郷である「いすみ市大原」で過ごした漫画家「つげ義春」の作品には、
大原、そして大多喜をはじめとする外房地域の郷愁を掻き立てられる風景がたびたび登場します。

ここ大原にオープンしたコワーキングコミュニティ「hinode」で、つげ義春の創作の原点に触れてみませんか?
昭和を感じさせる貴重な漫画雑誌の数々もご用意しています。
ぜひお気軽にお立ち寄りください。
会場 コワーキングコミュニティ「hinode」 千葉県いすみ市深堀1712-1
お車は大原海水浴場の駐車場にお停めください。

 

 

http://tsuge-isumi.com
↑イベント情報、チラシ等はこちらをcheck

 

 

11月18日(土)のイベントプログラム「大多喜のイノシシ革で作るカードケース作りワークショップ」の予行演習をした。
ワークショップ主催者の能城ちゃん(大多喜在住)と私は隣町同士の、ある意味お仕事の同期である。
また、いすみ市に限らず大多喜が舞台のつげ作品が数多く存在することもあり、
彼女が携わっている大多喜の害獣問題にも絡め、大好きな能城ちゃんと一緒にイベントができるのがとてもうれしい。
楽しみだ。

 

 

地元いわきに革関係の友だちがいるため、革の扱いの難しさは重々わかっていたが、
素人がそう簡単に上手に仕上げられるものでもないことをあらためて実感。

 

 

 

今回は牛革を使って練習した。

 

 

あまり上手にできなかったが、新しいカードケースほしかったのでちょうど良かった。

 

※私は不定期でhinodeに在廊しております。
もし私にご用の方は、前もって連絡いただけると確実です。

 

先月末のライブ以来、ギターを10日以上さわってなくて焦る。

 


2017-11-10 | Posted in BLOG, ART, OTHERS, WORKNo Comments » 

October,2017記。

久しぶりに盛岡へ行った。

 

岩手県立美術館の「花森安治の仕事」展、間に合った。

 

 

 

 

第3期常設展、チチ絵数点が最高の環境でのびのびと展示されていた。

展示されていたのは、20年間、実家の2階の狭苦しいところに温度湿度無視でぎっしり隙間なく押し込められていた絵画たちのほんの一部である。
私はその絵たちとずっと相部屋生活だった。
「いつまで経っても油絵のシンナー臭さが抜けないこの部屋で、日の目を見ない大量の絵画たちと共に、このままゆるやかな一家心中の如く私も絵も朽ち果てていくのだろうか……」と、暗澹たる気持ちで生活していたのはほんの少し前までの話だ。

水面下でやれることはやりながら、じっと待つ……という日々は、必要だったのだろうが、無駄に終わる場合もあるのだろう。

 

 

直利庵のあったかい鮎そばは季節もの。お勧めだ。

 

 

光原社で菜箸を買った。

盛岡は第二の故郷である。

↓私と盛岡の蜜月期を書いた記事はこちらをぜひ。

 

RIKUZENTAKATA.MORIOKA.

ミレニアムファルコンつれづれ。

小岩井農場

神子田朝市

with OMOCCHI

BEAUTIFUL MATSURI IN MORIOKA

 

↓久慈愛についてはぜひこちらを☆

 

AMMA 紀行~わかる人にはわかる。

 

 

↑Clickで拡大。
大原でちょっとした催しをやるのです。

詳細はこちらへどうぞ→http://tsuge-isumi.com

 

 

大多喜町の能城ちゃん、そして現在キョン革クラフト奮闘中の星空☆おじさんにも協力してもらい、イノシシ革クラフトワークショップの準備作業を重ねている。

害獣駆除で処分されてしまうイノシシの革をどうにか有効利用できないかということで、能城ちゃんとあるプロジェクトをひっそり立ち上げた。
今回はそのお試しスタートみたいな感じだ。
イノシシに限らず(竹や、現在作っている綿花など)外房の眠っている資源を新しい視点で有効活用できたら面白いかしらと思っているが、どうなんだろう。
私は純粋に物を作るのが好きなので(過去に何度か手作り品の通販SHOPを立ち上げては採算があわず潰してきた経緯あり)、小規模でもきっちり形にしたいと思っている。
大多喜で害獣解体を勉強中の能城ちゃんに燻製用のイノシシの肉を譲ってもらった。
大多喜のイノシシはどんぐりを食べているから(いすみのより)おいしい、とハンターの同僚に聞いた。
冷蔵庫にイノシシの肉が入ってるのって初めての経験だ。

 

 

いわきに帰ったついでに、革プロの人に革相談。
小松ちゃんの控えめな性格が好きだ。

 

 

久しぶりに実家のピアノを弾く。1音くらい音が下がっているが気にしない。

 

 

1週間留守にしていたら、綿花畑の綿がフィーバー状態だった。

 

 

 

 

藍は飽和状態。

 

 

この1年間は気が張っていたせいか幸いひどい風邪をひかずに済んでいたが、引っ越して1年が経過した今になって気が緩んだのか、溜まっていた澱が解放されたがっていたのか、今週はだらだらと熱が出てだるかった。
しかしそんな時に限っていろいろ重なり、仕事も休めないし、ダブル、いやトリプルワークも大人の事情で休めないし、大原での企画展も近いしで、ちょっとしんどかった。

 

 

熱にうなされながら、同僚にもらった栗を剥いた。
ありがたや。
自動栗剥き機がほしいと思った。
指が痛すぎる。

 

 

どうしても、栗ご飯が食べたかった。
おいしさに感動。

 

 

 

伝説のエフェクター職人の工房「Honda Sound Works」が、隣町・御宿の町なかから、某お寺の裏の敷地の倉庫に移転した。
今月はギター教室くらはし先生の諸事情で、ここHSW敷地内のガレージでギターレッスンを受けている。
Honda氏と仲良しの住職(地主)のはからいにより、現在も大改装工事中だ。
半屋外のライブスペースや近隣の人の交流の場、そしてゲストハウス化も考えているとのこと。
ここでライブをしたら音響は間違いなく良いだろう。いろいろ音楽的な指導も入ると思うが。

 

 

 

 

近所にこんなスペースがあるだけで心強い。
カラオケボックスよりはいい。

倉庫の2階にあるHondaさんの工房に入れてもらったら、ドアを開けて真っ正面の位置に設置された洋モノのガラス張り白い円柱形のシャワーブースの存在感に驚愕した。
わざわざ取り寄せたんだろうか。
突き抜け感が良かった。

 

今、自分がいちばんに優先すべきは、音楽だろう。
音楽畑じゃないから……と言ってもいられない。
もっと音楽にハマりたいなと思う。
「私は音楽そのものです」と言えるくらいに……。
海外のイベントに呼ばれてみたい(漠然と)。

 

10/29(日)「POP INN 017」@中野alternative cafe、ぜひいらしてください。

 

10/29(日)「POP INN 017」@中野alternative cafeのお知らせ

 


2017-10-21 | Posted in AGRICULTURE, BLOG, ART, JAPAN, TRAVEL, WORKNo Comments » 

KAMOGAWA

鴨川に行った。

 

やっと来れた、太海漁港。

 

 

 

太海海岸。
つげ義春の代表作「ねじ式」の舞台とされている。
そう、メメクラゲの海岸。
陰気なイメージを抱いていたが、いやいやどうして、水の透明度抜群の美しい海岸だった。
外国のリゾートビーチのよう。

 

 

つげ義春の国内旅スポットに対する目のつけどころはさすがとしか言いようがない。
つげ氏独自の視点でかなり選び抜かれているのがわかる。

 

 

「ねじ式」で、機関車が飛び出してくるカットは、まさにここ。
太海漁港の港町の一角。

 

ここだ。

 

南房総は海が本当に綺麗でおどろく。海の色がハワイみたいだ。
魚が丸見え。

 

 

 


2017-01-29 | Posted in BLOG, JAPAN, TRAVELNo Comments »