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2017-05-22

BLUEGRASSがやって来た。つれづれ。

なんだかんだで体調を崩しながらも、「眠ラヌ姫」MVの撮影準備に入っている。
この曲は複数の人が関わっているので、なるべく良い形でたくさんの人に聴いてもらいたい。
しかし自分の力を過信しないことだ。フィジカル、メンタル共に限界がある。

 

新しい曲を作り始めたが、今日中に完成させられず。
タイトルは「奈落の底」。
やはりギターがどうしても、、、上手く弾けない。

 

 

 


日曜日、陸前高田の従兄弟が出稼ぎ先の埼玉からうちにやって来た。
大量のレコードをトランクに積んで。

 

 

おどろいた。
ほとんどがブルーグラス、ディキシージャズ、カントリー、アイリッシュものだった。
レコードの状態良好。

 

 

未知のジャンルすぎて、どの盤から手をつけたらいいのか路頭に迷いそうだ。

 

 

 

4時間にわたり、レコードの試聴をしながら手ほどきを受けた。
カントリー、ブルーグラス界でヴァイオリンをヴァイオリンと言うのは恥ずかしい間違いだと今さら知った。
フィドルね。

 

 

ブルーグラスのフェス盤も多々。
「フェスの質にも程度があって、大したことないフェスもある」と従兄弟談。

 

 

あとで数えたら、350枚……、いや、もっとあった。

 

 

まったくわからないが、適当に引き抜いた盤をざっくりと並べて置く。
ドッグ・ワトソンという人物が大御所だというのはなんとなくわかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「このあたりは星空は見えんのが?埼玉は星が見えねえのよ」
「いすみは星空キレイだよ。田舎だから。田舎からもっと田舎に引っ越してきちゃったみたい、あたし」
といった東北弁の会話がゆるゆると続き、なごんだ。
自分だけの趣味や楽しみを見つけ、黙々と1人で追及・研究する姿勢は松田家の人間の特徴かもしれない。
その趣味を外に向かって誇示しようとか、一旗あげようみたいな欲がそんなにないのも特徴の一つだ。
画家だった父も、下剋上精神でもっとギラギラしていたら生きているうちにもっと派手に有名になったかもしれない。
私は人前でわーっと歌ったりすることにいまだに違和感が拭えない。
都会と被災地での震災に関する温度差の件では、従兄弟と私はおどろくほど同じ感覚を持っていた。
そうか、従兄弟も私も被災地の地元を離れた者同士なんだわ、とその時初めて気づいた。
大震災の前の年に起きたチリ沖の津波を覚えている人はいるだろうか。
この津波が陸前高田の港町を襲い、結構な被害が出ていた。
従兄弟の家族の経営していた食品製造の事業所も製造用の機械が水に浸かり、大変な損害を受けた。
この時は保険がおりたのでなんとか立て直しができたが、翌年の大震災で致命的な被害に遭った。
会社の所有していた車4台は現在も見つかっていないとのこと。
しかし、2度目の被害となると保険はおりず、事業所を閉鎖するしかなくなったという。
陸前高田に仕事はなかったためまず京都へ出稼ぎに行き、タクシー運転手をしていた。
今は埼玉で仕事をしている。

自分の運命を受け入れ、試練にじっと耐え、楽しみを見出しながら静かに生きていくタイプなのだろう、私も従兄弟も。

今回譲ってもらったのは、奇跡的に津波から免れたレコードたち。
CD、DVDの類はぜんぶ流されてしまったという。
ちょっとずつ聴いていこうと思っている。
新しいターンテーブルを買おう。
質の良いスピーカーでブルーグラスの1950年代頃の名盤を聴いたら鳥肌が立ちそうである。

 


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