toggle
2015-06-30

カウアイ島のヤバい奴。

IMG_7969_1200

今回、日本へ帰国する前日に、ハワイ諸島最古の島、西の端の「カウアイ島」に初めて行ってきた。
この一大行事「カウアイ島 シダの洞窟ツアー」(オプショナルツアー)に参加するために、他の日はあまり無駄遣いせずたくさん歩いたり市営バスに乗ったり泳いだり地味に過ごした。

 

IMG_7973

朝4時集合。憧れのハワイアン航空。このロゴマークを見るだけで心躍る。

 

IMG_7975

片耳にプルメリアを飾った肉感的な体つきの美人CAがニコニコと仕事をしていた。

 

35分ほどのフライトでカウアイ島に到着した。

 

以後の、島内でのことは正直あまり書きたい気持ちにならない。

利用したオプショナルツアー会社との示談的なものが完全には成立していないため、ざっくりとだけ書いておく。(←7/2無事成立)

 

思い起こせば出だしから最低だった。

(問題の)現地のツアーガイドがリフエ空港出口まで車で迎えに来ていた。そこまではよくあるツアーの出だしだった。
まず初めに、ツアーのパンフレットには載っていなかったウォルマート(ダイユーエイトみたいなスーパー)へ連れて行かれた。ここで1時間自由行動だとガイドが言った。駐車場は野生のニワトリ天国だった。
せっかく早朝に到着したのになぜウォルマートで1時間も……貴重な時間、もったいなかった。

 

IMG_8282_RR

だがこの時はまだいろいろ気がついておらず、状況を楽しもうという気概が残っていた。

 

IMG_8311_RR

スパウティングホーン(潮吹き岩)。周辺に土産屋が軒を連ねる観光名所だ。
パワースポットというよりは、ところどころ石が積み上げられていたりして、恐山のようなマイナス磁場な印象を受けた。
ここに来た時点で、あれ?ネットで見たツアー内容だと潮吹き岩は最後のほうにまわる予定じゃなかったっけ??と疑問に感じたが、ガイドに問い詰めるほどのことでもないと、黙っていた。しかしあとになってみると、やはりすべてがおかしかったのだ。

車内BGMが終始「吉幾三」だったことも私をイラッとさせた。吉幾三は嫌いではない。むしろ好きなほうだ。
しかしカウアイ島で聴きたくはない。
その、南アジア出身の、若干マラドーナ似のツアーガイドは饒舌に日本語を話した。長く日本に住んでいたという。詳細は割愛するが、吉幾三が好きなのだという。「CDを替えてください」ときっぱり言う気の強さは、なかった……。

 

IMG_8303_RR

吉幾三を聴きながら、有名なワイルア滝に着いた。
ガイドはこの滝を「ジサツノメイショデス」「レイガデマス」と説明。

参加者に自分のカメラを渡し、自分の写真を参加者に撮らせるガイド。
「こんなガイドはじめてぇ~」と、笑いながら、参加者もなんとなくおかしな雰囲気に気づき始めていた。

 

IMG_8081

↑click please
ワイメアキャニオン。圧巻の景色である。

車内で、私はこのツアー一番の目的である「シダの洞窟」にはいつ頃着くのかガイドに尋ねた。(私は助手席に乗っていたのだった。)

すると「シダノドウクツ、イマヤッテナイデス」とガイドが答えた。

「え?だってこのツアーの参加者はシダの洞窟を見るためにはるばるここまで来ているんですよ」

「ワタシハカイシャカラナニモキイテイナイデス」

「それはおかしいです。会社に確認してください」

「アトデカクニンシテミマス」

 

他の参加者にこの旨を伝えると、「え?なんでなんで?来た意味ないじゃ~ん」と一騒ぎになったが、ガイドは本当にツアー会社から何も聞かされていないだけでガイドの不手際ではないかもしれないと一部の参加者は思っていたようだった。私も、ガイドがうまく対処して最終的にはシダの洞窟へ行けるだろうと状況を甘く見ていた。

 

だが、そのあと、ガイドが自分の会社に電話して確認した様子はなかった。

 

 

IMG_8075

こんな景色、見たことない。

景色がこうなら、道も相当なワインディング状態だった。日本のような落下防止のガードレールの整備が整っておらず、不自然に細かく激しいカーブとアップダウンが続く。その道を、ブレーキを踏まずに飛ばしまくるガイド。
私ははじめ、この無謀運転は彼なりのアトラクション的なサービスなのかなと思っていた。しかし、そうでもなさそうなことにだんだんと気づき、私は顔をひきつらせながら両手で手すりを鷲掴みしたまま助手席のシートに張り付いていた。
……もしかして気○ガイ?日本の頭文字D好き男でさえこんな危険運転はしないだろう。ガイドは「シダの洞窟」の件で私が軽く問い詰めたから焦って逆ギレしたのだろうか。そういえばこのガイド、さっきドラッグの話をしていた。「やってる人はみんな山の奥に行ってやってる」のだと言っていた。あんたもやってるんじゃないの。ああやってるよね、たぶん、と勝手に確信した。このまま崖から落下して死ぬのかもしれない、と思った。最後部座席の参加者たちは早朝出発の疲れのせいか眠っていた。かえって不安にさせるから、起こさない方がいいだろう、と判断した。

 

IMG_8020

ガイドはやたらと私たちを土産物店に連れて行った。しかも、ツアー工程にはない、似たような(つまらない)観光土産物店ばかり点々と案内される。土産物店からもらうマージン目的だったのだろうか。そうに違いない。
買い物はオアフ島で十分だ。ツアーの参加者は皆、カウアイ島でしか見られない自然の風景や遺跡などを見に来ているのに。

 

IMG_8021

 

IMG_8022

「スエオカ」という、カウアイ島でいちばん古いスーパーの脇の惣菜屋。
買わなかったが、ここは美味しいらしい。

 

IMG_8062

笑顔BUT心の中は不機嫌度80%。ここでのガイドの対応もあんまりだった。周囲にはコーヒーの農園が広がっていた。コーヒーの樹は思っていたより背が高く、炎天下、低賃金で苛酷な労働を強いられた(今も強いられている)世界各地の労働者のことを思い、暗い気持ちになった。
参加者が車に戻る少し前にエンジンをかけて車内のクーラーを効かせておくという観光サービス業の基本的なマナーもガイドは知らないようで、車内は無駄に蒸し暑く、私以外の参加者たちもだんだんと不機嫌になり、車内がざわつき始めていた。

 

IMG_8296_RR

「オヒルヲタベニイキマス」とガイドは言ったはずなのに、なぜか吊り橋へ連れて行かれ、やむを得ず吊り橋を渡った。
すでに不安がつのっていたため、吊り橋の激しい揺れがメンタルを刺激しダウナー状態に。それを表には出さずのアロハスマイル。
吊り橋が建設された由来などのガイドからの説明はなし。質問しても答えられず。

昼食は、綺麗なビーチサイドの公園でプレートランチを食べることになっていたのに、海から離れたレストランに連れて行かれた。
「ロコモコカ、カツヲエランデクダサイ」と言うので、仕方なくロコモコを選んだ。出された水が、氷なしの常温だったのがすごく気になった。ふと、他のお客のテーブルを見ると、氷とレモンの入った水のグラスが出されていた。
ガイドは「ドリンクノムヒトハジブンデチュウモンシテクダサイネ~」と私たちに声をかけた。
私はクレジットカードとわずかなドルしか持ってきていなかった。食後、「チップハラッテクダサイネ~」とガイドが言ったが、パンフレットに「お昼にプレートランチ(普通は飲み物も付く)が配られる&ツアーはチップ込み」と書かれていたためカードのみでお札を持っていない参加者が数名いて、「お昼にチップが必要なんて聞いていない」と不満を言い始めた。「それはおかしい、お店にチップを払うのはアメリカの常識ですよ」と言う参加者もいた。それはわかるけどなんかおかしい、と私はガイドに対しだいぶ不信感を募らせていた。あんたの懐に入るマージン目的で私たちをこの店に連れて来たんだろう、もちろんドリンク代にはマージンが……。
結局、誰もドリンクを注文しなかった。

 

その後、ガイドは車内で参加者全員に問い詰められることになる。
「シダの洞窟はハリケーンで休業中だ」と言ってみたり、「やってはいるけど今から行っても最後の船に間に合わない」と言ったり、「大きい船はダメだけど小舟になら乗れる」と言ったり発言の信ぴょう性のなさがバレバレになってきたので参加者全員一致でとりあえず休業中でもいいから「シダの洞窟」へ行ってもらうことになった。

シダの洞窟までは結構長い道のりがあった。
その道中がさらなる恐怖体験だった。ガイドの運転は相変わらず荒い。
そのうち、後ろの席の人がトントン、と私の肩を叩き、運転中のガイドを指差した。すると、運転しながら白目を剝いて首を上下させているガイドがいた。なんと、寝ているのだ。

「●●●、ちょっと大丈夫なの?しっかりして!あぶないよ!」

「ダイジョブダイジョブ、ボクコウツウイハンシタコトナイ」

またしばらくして、白目を剝きコックリコックリし始めるガイド。
センターラインと白線をまたぎながらの猛烈な蛇行運転とスピード超過に、ガイドの後ろの席のおじさんもたまりかね、「●●●、ハンドル貸して、私が運転代わるよ」と言い出した。

「ダイジョブダイジョブ、ボク、ガイドハジメテジャナイヨ」

 

40分ほど走ったところで、カウアイ島いちばんの観光スポット「シダの洞窟」の乗船所(港)に着いた。 ここから観光船に乗って1時間半ほど川を遊覧しながらシダの洞窟のあるポイントまで行って上陸しまたここに戻ってくるというルートだ。

乗船場は、通常営業していた。しかし、15:30発の最後の船はすでに出てしまったあとだという。
つまり、この時点でシダの洞窟へは行けないことが決定した。
ガイドは、のらりくらり私たちを騙して12人分の乗船料をうまくせしめるつもりだったのだろうか……。

ここで 参加者12人全員がガイドを輪になって囲み、証人喚問と(非暴力な)袋叩きが行われた。
ツアー内容がパンフレットに書かれているものとだいぶ違うことと、ツアーの実際の工程表が提示されていないこと、観光地の説明・案内がほとんどされていないこと、危険運転、食事、シダの洞窟……、みんなかなり怒っていた。
参加者の中にプライベートで参加していた日本のツアコン2名がいたことが幸いした。旅行関係の法律にも詳しい彼女たちはガイドの発言をきっちりメモに残し、つじつまの合わない発言については容赦なく事実を追求した。ガイドはそれでも謝る気配なく、ヘラヘラと笑っていた。
ツアコンの彼女たちはワイキキのツアー代理店とホノルルの下請けのツアー会社に電話をして、強く抗議をしてくれた。また、乗船所のスタッフとも交渉し、プライベート扱いでなら今から船を出してもらえることになった。彼女たちはオプショナルツアー代理店に対し「私たちは乗船料をすでにあなたの会社に払っているのにガイドは正当な理由もなく乗るべき船に私たちを案内しなかった。だから私たちはシダの洞窟へ行く権利がある。追加の船の費用はあなた方が払ってください」と主張した。しかし、ツアー代理店は「私たちに責任はない。免責事項にもそう書かれている」の一点張りで、下請けのツアー会社に電話しても、中国か韓国系の会社のようで、グダグダな対応。
「1人46ドル払えばプライベート船に乗って今からでもシダの洞窟へ行くことができる。費用は後でツアー会社に請求するという方法があります、どうでしょう?乗りますか?やめますか?」ツアコン女性たちが選択肢を作ってくれた。

しかし、その場にいた全員が46ドルの現金を所持していなかった。全員、乗船はあきらめた。

最後の遊覧船がちょうど港に戻ってきた。船専属のハワイアンバンドやフラダンサーたちも乗っていた。お客たちはみんな満足げな表情をして船を降りて行く。

シダの洞窟は、昔は一部の王族しか入ることを許されなかった神聖な場所らしい(諸説あり)。ここでシダの露を浴びると幸せになれるという伝説がある。露、浴びたかった……。
まだ幸せになってはいけなかったのか……行いが悪いのか……。

 

IMG_8300_RR

 

私たちは、他にまわる予定だったバースストーンやヘイアウ行きを取りやめ、ガイドに「まっすぐ空港へ戻る」よう指示した。バースストーン、ヘイアウ、私、すごく楽しみにしていたのだが……。秘密の島、ニイハウ島の写真も撮りたかったし……。ビーチでランチするのも楽しみだった。メネフネ(小人の妖精)にも会いたかった。
無念しかない。

なぜ皆が空港へ急いだかというと、帰りの飛行機のチケットが取れているのかさえ疑わしかったからだ。万が一を考え、早めに空港にたどり着き、チケットカウンターで無事にチケットを手にした。ガイドはあいさつの一言もなく、「サーココカラハイッテハイッテ」とチェックインゲートの向こうに私たちを誘導し、あいさつもなく消えた。
面倒な日本人たちから早く解放されたかったのだろう。
彼に二度と会うことはないだろう。

 

飛行機への搭乗時間までロビーで時間をもてあました私は、参加者の方と今日のツアーについての不満、思い切ってこのツアーに参加したことへの後悔を話し合った。皆、やるせない気持ちでいっぱいだった。往復の飛行機代も含めると、ツアー代は決して安くない。カウアイ島なんて、もう二度と来れるかどうかもわからないのに。
しかし、この一件のおかげで参加者の数名の方と知り合いになることができた。
帰国してからも連絡を取り合い、それぞれがオプショナルツアー会社に抗議と返金請求をした結果、謝罪の返事が返ってきた。返金もしてもらえることになりそうだ。

泣き寝入りを覚悟していたので、うれしい誤算だった。

 

話の内容を一部変えたり時系列が前後しているが、ざっくりとカウアイ島はこんな感じであった。


タグ:
関連記事

コメント1件

  • […] ホテルまでの送迎はだいたいVIP TOURを使っている。 愛想は大して良くないが、オプショナルツアーもここがいちばん安く(HISは割高)、場所も便利&日本語対応で利用しやすい。 ああ、でも過去にこんなこともあったけれど、今は良い旅ネタ→カウアイ島のヤバい奴。 […]

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です