ayatopia 1st.アルバム「1122」全曲解説

2018年暮れから約半年をかけて制作した、ayatopia 1st.アルバム「1122」。
当初は4~6曲のミニアルバムにする予定で進めていましたが、初めて作った曲「Oh! Monster」と最新曲「ペニンシュラ」を含めた、9曲入りのフルアルバムとして自主レーベル「ぴきよスタジオ」からリリースすることになりました。「ぴきよ」は実家で飼っている猫♀の名前です。現在が二代目で、本名は「新ぴきよ」です。

 

いよいよ、2019年7月14日(日)、ayatopia公式SHOPより先行発売開始です。

2019年8月2日(金)より全国発売。
絶賛ご予約受付中です。

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以下、セルフインタビュー形式で曲の説明をしていきます。
(後日少しずつ加筆修正します)

①ペニンシュラ
②さようなら私たち
③出会い系、2018
④マゼンタ
⑤相思、相愛。
⑥IKAWISONG
⑦Oh! Monster
⑧眠ラヌ姫
⑨森になる

 

ayatopia@高秀牧場 photo by Manabu Kusaharaは、先にも述べた通り、このアルバムの収録曲の中では最新の曲ですが、ギリギリまで、ボツにしようか悩みました。アルバム収録曲のミックスその他諸作業をサポートしてくださったコバヤシさんには、のミックス作業で長期間本当に苦労をかけました。
一昨年、ブルーグラス・アイリッシュ系の好きな父方の従弟にそっち系統のレコードを山ほどもらったんです。その顛末は「BLUEGRASSがやって来た。つれづれ。」という記事に書いてありますので良かったらどうぞ。それらのレコードの中から、「Trapezoid」というバンドのLPが気に入って一時期結構聴いていました。CD化されていない、ボーカルの「Lorraine Duisit」のソロLPもすごく良くて。この曲は彼女の影響を少なからず受けたと思います。加えて、初期の「Björk」や「Sugar Cubes」にも思いを馳せていました。それとコバヤシさんに教えてもらった「The Chapin Sisters」も良かった。
私の住んでいる「いすみ」という土地は故郷のいわきよりも気候が温暖で、寒暖の差にメリハリがない。草の生い茂る放置された空き地が荒涼と広がる風景がそこかしこに見られるプリミティブ色の強い場所です。もしかして縄文時代と風景がそんなに変わらないのかなと思ったりもします。未開発の、人に見放されたような風景は、もの哀しくもあるんだけど土地柄が南方的なためか、それほど陰気な感じはしない。私にとってこの土地は、何かを「待つ」ことがテーマになった場所という気がします。けれど決して受け身ではなく、見知らぬ土地で1人、ちゃんと成長していく女性の強さみたいなものを表現したかったんです。
それと、3.11の物語に引っ張られる自分もいます。亡くなった人々、過去と現在の出来事が混在している曲です。それプラス、国のトップに対する憤りもダブルミーニングで表現しています。ダブルというかトリプルミーニングになっています。

 

Katachi Beats(Y-Bit Music)さんにアレンジとミックスをお願いしました。今回、アルバム収録音源をつくるに当たり、センスの良いダブものが作れるヒップホップ寄りの人を探していて、なんとなくの勘で、ベルリン在住の日本人ビートメイカーKatachi Beatsさんをネットで見つけ、数曲のアレンジ、ミックスをお願いすることにしました。ビジネスライクな請負いエンジニアでなく、彼自身アーティスト気質でクラシックの素養もあり、クリエイティブな感性をお持ちの方なので、やり取りのしがいがあり、単なる「〇〇風」に収まらない、面白い作品ができたと思います。楽器の音入れに関しても「日本で録るより音の抜けが良さそう」という浅はかな期待もしました。実際、その点に関しても良い仕事をしてくださいました。
は、自分なりの、地元いわきのご当地ソングです。昭和歌謡っぽさを出しつつも、ワールドミュージック感のあるダブにしたくて、レゲエやクンビア的なリズムの漠然としたイメージがだんだんと形になっていきましたが、初めはなかなか先方にそれが伝わらず、返ってくる音を聴くたび自分の至らなさに挫折しかけました。最終的には、楽団エウロパのヒグちゃんのスティールパンも、助教授のMCも曲にバッチリなじんで、とてもお気に入りな曲に仕上がりました。
その後はKatachi Beatsさんがの制作でだいたいの私の好みを理解してくださったので、は特に作業がスムーズでした。は3.11の年に作った曲です。あの時自分が感じた虚無感、厭世観をそのまま閉じ込めた、暗いテーマの曲ではあるのだけど、自分らしいユーモアが欲しかったんです。そこをダブサウンドでうまく出してもらいました。私は子どもが思いつきで歌っているみたいに、あえてぶっきらぼうに歌いました。ピアニカは私です。
は、一番最後に完成した曲です。アルバムに収録するつもりでミックスを終えたある曲の出来がイマイチだったので、思いきってボツにして、代替えとしてを急遽レコーディングし、またKatachi Beatsさんにお願いしました。各曲のミックスがようやく揃い、アルバム完成へ向けて終わりが見えてきた矢先の「曲差し替え」だったので、気力体力共に尽き果てかけた状態が独特の浮遊感を出してくれて、それがかえって良い味になり、このアルバムの中で一番好きな曲になりました。ボツ曲は、またいつかどこかでお目にかかれる日が来るでしょう。

 

は、いわきにいた頃に作った曲ですが、今住んでいるいすみの雰囲気と自分の心境がぴったりマッチした曲だな、と思い、MVまで作りました。私は特別にレゲエマニアという訳ではないのですが、この土地にはレゲエやダブが合っている気がします。隣町の御宿のギター教室のくらはし先生にギターとベースを入れてもらいました。
この曲は、もとは「避難者」というタイトルでした。いわきにいた頃、震災の影響で「離別」の場面に遭遇することがすごく多かったんです。家族が離ればなれになる。人、家、土地とお別れする。それは、表面的には悲劇に見えるかもしれないけれど、今よりもさらに良い状況へ向かうために取った行動な訳だから、つまり各自の幸せに向かっているのだよね??ね?という自問自答を繰り返す日々でした。いわきに避難してきた方がいじわるをされたり嫌味を言われるという場面も見たり聞いたりすることが増えました。でも人によってはまったく気にしてなくて、気にする人はどんどん病んでいく。人それぞれのフィルターで見える世界が違うのかもなと思ったり。この頃、母が「人生なんてぜんぶ幻だから」と口癖のように言っていたんです。確かに、この世の中自体、自分にとっては実体のない霞のようなもので、自分の捉え方次第でいかようにも変容するのかも、と哲学的に考えることもあります。でも「そうだ」と割り切って生きられない自分がいました。
そして、思うところあって、いざ、いわきを離れてみたら、今度は私が「避難者」と言われるようになりました。さらに私は「被ばく者」でもあるので、差別的な言葉を投げられたことも何度かあります。でもこれで私は今まで関わってきた「避難者」の方々に対してやっとフェアな立場になれたな、と。地元を離れた意味があったなと思ったんです。
そういえば、は、元々は「低線量シティロマンス」という仮タイトルで、当時所属していたバンドメンバーも気に入って演奏していた定番曲でした。ある日リーダーが、「そんな辛気臭いタイトルやめなよ」と言ったので、あっさり変えました。この曲は初め、ハワイアンっぽい曲にしようと思いながら、バンドリーダーに初期のポール・サイモンを勧められて聴いていた頃に出来た曲です。

 

は、以前、好きな人に「俺で曲作って」と言われたのを素直に真に受けて作りました。あんまり生々しくもしたくなくて、過去の記憶をミックスしたフィクションに仕上げてあります。淡々と歌っていますが、女性特有のけなげさを表現したかったので、レコーディング時は全裸でした。肝心な時に悲壮感を出し切れず、すぐふざけてしまうから、自分に気合を入れるために脱ぐくらいしか手段が思いつかなかった。声がちょっと震えているのは寒かったからだと思います。
10代の頃に出会って以来、バイブル的な1枚である、矢野顕子さんのデビューアルバム「JAPANESE GIRL」が今も好きで、を作るにあたり、今回あらためてインスパイアされました。

 

は、冒頭で述べた通り、初めて作った、メジャーセブンス2コードのみのシンプルな曲です。歌詞は、このアルバムの中で最も自分らしさが出ているなと思います。鈍感にはなりましたが、14歳のころからものの感じ方はあまり変わっていないです。
神戸連続児童殺傷事件、池田小児童殺傷事件等のニュースを見ていると、決して他人事とは思えなくて。理性で強引に封じ込めているだけで、自分も犯人と共通のものを内部に抱えていると思います。愛情を求める寂しさや、やるせなさ、生きづらさをどう処理していったらいいか、この歳になっても未だにわからない。だけど、強がったり、わかったフリをして他人を説き伏せたりはしたくない。いつまでも14歳の感覚を持ち続けたまま、今もこの曲を歌います。コバヤシさんに昔の裕木奈江さんの曲などを聴いてもらって、ミックスをお願いしたものの、私の中に迷いが出て、結局自分でミックスしました。

 

は、地元の友人のりょうこキャロラインと「はちみつ」というアコースティックユニットを組んでいた時に作った曲で、作曲者はりょうこです。この曲はの少女性をさらに強めたようなセンシティブな曲です。私自身、今もメンヘラの傾向はありますが、歳を取ったせいかこの曲はなんとなく歌いにくくて、ライブではほとんど歌っていません。でもせっかく良い曲なので、助教授や画家の吉田孝之さんに協力してもらい音源を制作して、自主制作映画風なMVを制作したんです。MV公開でこの曲は完結、と思っていましたが、試しに再マスタリングしたら音に厚みが出てさらに良くなったので、もったいないじゃないかということで、1st.アルバムに収録することにしました。

 

は、「諦念の極致」といった、どうしようもない心境の時に作りました。強い敗北感と絶望感がありました。真夏の、クーラーもない自分の部屋で、汗だくでぼーっとしながら、もう無駄な抵抗はしないよ、戦うつもりもないよ、と、人生を捨てたような気持ちで歌詞を書きました。

世間的にも、震災からの復興にはまだまだ程遠いと思える時期でした(もちろん今もそれは続いていますが)。そんな中、あきらかに被災者、被災地への対応が最悪な政府や官僚のニュースをテレビやネットで見るたびに、ますます精神的に打ちのめされていきました。「税金払いたくない」という歌詞は、自分の支払った税金が戦闘機やミサイルの購入に使われたりして、本当に必要なところへ有意義に使われないのなら、払いたくないな、という素直な思いからです。
ウクレレを爪弾きながら1人歌う私の声が森の中に掻き消えて「1122」は終わります。

 

 

そして、アルバムのジャケットとライナーノーツ表紙は松田松雄「風景デッサン – 38」(1988)、「風景デッサン – 55」(1988)です。「1122」という、記号のような抽象的なタイトルに松田氏の抽象作品が合っていると思い、娘という立場を利用して、今回使わせていただきました。
彼の名前に傷をつけることにならないよう、内容の充実に尽力したつもりですが、どうなのでしょう。
ただ、このジャケットの色の仕上がりを見たら彼は怒るでしょう(以前、自分の展覧会の図録の「作品の黒の色合いが違う」と言って全部刷り直しをしたことがあるくらいなので)。その点は、お詫びしたいです。予算の兼ね合いで、今回は誠に申し訳ない…。
今後、もしもこのアルバムをアナログLP化する時は、厳密に色校正をしたいと思っております。

 

長々と書きました。
ぜひ聴いていただきたいです。
以上  愛をこめて
ayatopia

 

   

 


2019-07-12 | Posted in COLUMN, RELEASE, BLOG, ART, MUSIC, DESIGN, NEWS, WORK, LYRICNo Comments » 

カカアコのレコード屋さんつれづれ、MAY, 2019

ハワイ、行ってきた。
楽しかった~!!
my 1st.アルバム「1122」が完成して、あとは帰国したら現物の納品待ちという状態だったものだから、印刷ズレてたらどうしようとか、エラー盤だらけだったらどうしようという心配があったものの、それ以上の達成感と安堵感を引き連れての、今まで味わったことのない幸せなハワイ旅だった。
旅写真はのちほどUPするとして、恒例の、レコード探索記録を先に書いておく。

カカアコ。
ウォールペインティングがさらに増えていた。

↓去年の記録はこちら。

IDEA’S Music&Booksへ。

お客さんほとんどいないのがまた良し。

自分のお目当てのレコードがことごとく在庫なしだった。
そうか……。どうしよう。
去年よりはゆっくり見る時間があったので、熟考。

急に、クリームが気になった。
クラプトン界隈、そんなに興味なかったのだが、 ギター教室のくらはし先生がクラプトン好きで、レッスン時にクラプトンの動画をやたら見せられてたら、なんとなく気にするように。
このジャケット、好きだ。ジャケ買いだ。
B面1曲目の、BOOKER.Tの “Born Under A Bad Sign” かっこいい。でも、ギターのフレーズをハモンドオルガンにしたほうが、たぶん自分の好みだ。

聴かず嫌いは良くないだろうということで、基本盤を購入。
まだ、そんなに掘り下げたことないからな。

ジミヘンも急に気になっている。掘り下げたい。

BOOKER.Tが結構充実。
買います。

好き。

これも買っておきます。

Crosby, Stills, Nash & Young “Deja Vu”
持っていて損はない。
間違いない。

David Crosby “If I Could Only Remember My Name”

好きだわ。脳内麻薬出る。

ハワイで聴きたくなる、Ry Cooder。
これは持ってなかった。たまたま目に入ったので購入。本人は駄作と思ってるらしい盤。賛否が分かれるっていう盤。
嫌いじゃないが。感想難しい。

このウォール ペインティング は消されてなかった。

浦安感ある。

もう少しカカアコでゆっくりしたかったな。
結局、洋服屋さんもあんまり見れなかった。

日本的な。Kawaiiな絵。

大好きと叫びたくなるハワイだ。

※後日加筆修正予定。


2019-05-30 | Posted in COLUMN, BLOG, HAWAII, MUSIC, TRAVEL, RECORDSNo Comments » 

2019.3.10 いすみ。

Photo by M.Kusahara

Mくん、お元気ですか?

私は、まだ生きてます。ずうずうしいなと思いながら。

ABEさんも、そっちにいますか?私だけこっちに残ってて、ごめんなさい。

私もたぶんお役目が終わったら、そちらに行くと思いますが、どういうわけか、まだ死なずにいます。

今日、3月10日は私の住んでいる外房の町の海辺で歌いました。

海に行くとやっぱりMくんとMくんのおばあちゃんのこと思い出すよ。

Mくんの歌も歌ったよ。

通りすがりの人は、もちろん知らない物語。

誰も知らないへんな曲歌うより、涙そうそうとか有名な曲歌えばいいのにとお客さんは思ったかもしれない。だから私は涙そうそうも20回は歌ったよ。

風や雨と格闘しながら、2時間ノンストップで歌い続けたのち、想定外の疲労と諸事情で退散しました。

楽しみにしていた方、すいません。またどこかでお会いしましょう。

↓一部ライブ動画をUPしています。

noteにM君のこと書きました。M君はY君に、ABEさんは田辺さんにしてあるけど。


2019-03-10 | Posted in COLUMN, PORTRAIT, BLOG, LIVE, MUSICNo Comments » 

さなぎの時間

noteで「さなぎの時間」というコラムを書いています。

さなぎの時間

ようやく「12」までたどり着いた。あと2話で完結の予定。
1年はかかる予定でいたが、思ったより筆の進みが早く、今年中には全話書き終わりそう。
修正しながら仕上げたいと思う。


2018-11-28 | Posted in COLUMN, BLOGNo Comments » 

note、始めました。

noteに「さなぎの時間」というコラムの連載を始めました。
念願の、書く作業です。
しんどいことも正直に書きますが、書くことがとても好きなので、楽しみでしかないです。
HPのトップページにもリンクを貼りました。
よかったらぜひブックマークをお願いします。


2018-09-10 | Posted in COLUMN, BLOG, MUSICNo Comments »